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僧帽弁閉鎖不全症

診察をしていると、高齢の犬では心臓に雑音があることがあります。

感覚的には、いつもの心音は

 

「ドックン、ドックン」

 

という音がしていますが、心雑音がある場合だと

 

「ドシュッ、ドシュっ」

 

という音に聞こえます。(個人的には)

 

だいだい70〜80%は僧帽弁閉鎖不全症という病気ですが、

時々、違う病気を併発していることがあるので注意が必要になります。

 

昔は、心雑音が聞こえたらアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)という薬を飲ませればOK

という流れだったんですが、最近は症状にあわせて薬を飲ませるようになりました。

個人的にはISACHC分類が分かりやすいので、レントゲンや超音波で検査をして以下に分類します。


Ⅰ. 無症状
   Ⅰa:心疾患の所見あり。心拡大なし。
   Ⅰb:心疾患の所見あり。心拡大あり。
Ⅱ. 軽度~中程度の心不全
   安静時・軽い運動で心不全症状が出現。QOLを障害。
Ⅲ. 進行した心不全(重症心不全)
   Ⅲa:自宅療法が可能
   Ⅲb:入院が必須

 

レベルⅡ以降は、明らかに心疾患による疲れやすさや症状があるので、わかりやすいですが

「心雑音のみがあって症状がまったくない」

という症例に対して治療をすべきなのか、すべきでないのか??が、飼い主さんとの相談になります。

 

うちの病院では、

レベル1ーa(雑音がある。レントゲンでは心臓の拡大ない)

  →定期的な心臓の検査をする。投薬はしないorサプリメント程度

レベル1−b(雑音がある。レントゲンで心臓の拡大がある)

  →心臓の拡大があるので、心臓に負担があると判断する。ACEiを投薬するようにする

レベルⅡ(心臓に起因する症状があり、心臓が拡大している)

  →薬が飲めるなら、ACEiとピモベンダンを併用する。最低限ならピモベンダンのみ投与する

レベルⅢ

即、入院して治療を行う。Ⅱに追加して利尿剤や血管拡張剤など多数の薬が必要になる。症例による。

 

という形で治療方針を決めてます。

 

心臓病は症状がでると、命に関わる問題になり、あっという間に死亡することもあります。

定期検診で早期発見、早期治療で肺水腫(レベルⅢ)になるまえにコントロールしたいものです。

 

この病気の根本的な治療は、外科治療による僧帽弁再形成術になります。10歳以下の犬であれば

最新の技術をもってすれば、治癒させることも不可能ではないのかなぁという時代になってきました。

実績がある病院ということになると、名古屋か東京の病院で手術が望ましいですね。費用はかかります。

 

循環器の病気 2016/11/17
≪ アトピー性皮膚炎の柴  |  腎不全に負けない猫 ≫

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