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犬・猫の透析について

透析治療に関する問い合わせが時々あるので、参考にしてください。

 

もし、あなたの動物が腎不全と診断されて、

BUNが140以上で、クレアチニンが10に近い血液検査結果であり

点滴をしても改善がないようなら

透析をするしか治療方法はないと言われるでしょう。

まず、決めなければならないのは、治療をするかどうかです。

よく質問される内容を例示しますので、考えてみて下さい。

 

①透析にすべき症例なのか?

動物が若くて、削痩しておらず、腎数値が急に高くなっていているなら

透析を考慮するべきでしょう。急性腎不全の可能性が高いと判断します。

逆に、高齢であり痩せていて、腎数値が高いなら透析は推奨されません。

慢性腎不全の可能性が高いからです。

一般に透析治療は急性腎不全に適用されます。

 

②費用は?

治療中は入院が必須なので、治療に必要な時間がかかれば、それだけ費用はかかります。

つまり、腎不全となり、元気食欲が廃絶して時間が経過している症例では

治療費は非常に高額になっていく傾向があり、

家族がどこまで治療費をかけられるのかを先生とよく相談するべきです。

予算が厳しいなら、透析治療はできないかもしれません。

 

③治るのか?

腎不全からの尿毒症とは、体内の老廃物が貯留して毒になっている状態です。

透析をすれば「毒素」は抜けます。数値も下がっていきます。

しかし、これを「治っている」とは言いません。

「毒素」を抜く=透析をする

であり、透析をすることと腎臓が回復するということは同義にはなりません

透析によって尿毒素を抜いてあげて、腎臓が機能を回復して透析が不要になった場合、

「急性腎不全が治った」と表現します。

 

実際に透析をうけた動物の救命率(死ななかった)は30%ぐらいだろうと考えられます。

確率としては低いように感じますが、尿毒症で瀕死の動物が

ほぼ0%の生存率から30%に上昇すると考えてもらうようにしています。

 

なので、透析すれば治るのか?と問われると、

「毒は透析でぬけるが、腎臓の機能回復は本人の生命力次第としか言えない」

と、答えます。

透析しても、腎臓が回復する場合と、腎臓が回復しない場合(透析しないと死ぬ)に

予後が変わってきますが、これは本当に予想することができません。

 

血液透析か?腹膜透析か?

透析には血液透析と腹膜透析があります。

犬で10kg以上なら血液透析を行うのが効率的なので推奨されます。

 

小型犬や猫の場合、血液透析が難しい場合があり、

その場合は腹膜透析を行います。

透析の効率は血液透析には及びませんが、ゆっくりと腎数値を改善していきます。

 

 

特に小型の猫(3〜4kg以下)では血液透析用のカテーテル設置困難

(太いダブルルーメンカテーテルを設置する頸静脈の太さがない)で、

透析用回路への血液喪失も多く、

貧血に陥りやすいため、当初から腹膜透析をすることが当院では多くなっています。

 

 

ただ、腹膜透析は感染に弱いので、体力が落ちた動物だと

すぐに細菌感染が起きてしまい、致命傷となってしまいます。

なんとか家で透析ができるように工夫をしてみているのですが、

課題が多いと言わざるを得ません。試行錯誤中です・・・。

 

 

透析は魔法の治療法ではありません。

それでも透析をしてあげると、回復してくれる動物がいるのも事実です。

最終的には主治医の先生と相談し、透析治療をするかどうか決断してあげてください

 

 

県外からメールの問い合わせがあるのですが、まず主治医に透析を相談してください

質問だけして、返事もない問い合わせが多いので・・・困ってます。

 

こちらも参考にしてください 日本小動物血液透析協会

http://www.jsaha.net/

腎臓・泌尿器 2017/03/02
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