赤芽球ろうの2例
赤芽球ろうっていう病気があります。
あんまり出会うことがない病気なんですが、開院して4年で2例目に会いました。
赤芽球ろうという病気は、骨髄の中の造血細胞である赤芽球という細胞が破壊される病気です。
似たような病気に「免疫介在性溶血性貧血」というものがありますが、
またちょっと似て非なるところがあって、病気の挙動も違うように感じます。
赤芽球ろうの方が、「進行がゆっくりで治りにくい」というイメージです。
以前にも一度、症例を経験したことがあり、
輸血、輸血、輸血のステロイドにシクロスポリン、レフルノミドにガンマガードと
使える薬は使い切ったけども、症状を抑えることができず、天に召されてしまいました。
今回は、前回の反省をいかして戦い方を変更しました。
ステロイドを大量に使うことは変更ないですが、今回はセルセプトという免疫抑制剤を使用してみたところ
大きな副作用もなく寛解にもちこむことができました。効く気がするんだよなぁ、この薬。
難点は、この薬が高価であること。大型犬に使うにはかなり厳しいレベルになると予想されますね・・・。
動物薬でもないので、しっかりしたデータがあるわけではないですが
難治性の場合は使う価値があるように感じます。でも、下痢になりやすいとも言われてます。
ブログで書いたらあっさりな感じですが、ちょっと元気ないなぁーって感じの犬が
よくよく診断したら、難治性の難しい病気ってこともよくあるので、
ちゃんと検査して、早期診断、早期治療が大事!!ということです。
輸血させてくれる大型犬が少なくなっており、なかなか輸血ができない時代です。
はやく人工血液が完成しないかなぁー。と心から願いますね。