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毛包虫症

痒みをともなう皮膚病は非常に多いですが、

寄生虫や細菌感染、真菌感染、アレルギーなどに分類されます。

今回の「毛包虫」というのは、毛穴のなかに寄生している虫による皮膚炎です。

 

本来この毛包虫は動物と共生しており、悪影響は出さないものなのですが

何かの影響で体の免疫バランスが崩れてしまうと、毛包虫が過剰に増殖して皮膚炎を起こします。

局所性の毛包虫症は、比較的若齢で発生し、完治しやすいのですが、

全身性の毛包虫症の場合、免疫バランスの異常からなかなかコントロールが難しいことが多くなります。

 

駆虫薬は適切に使うと効果はでますが、薬を切るともとにもどる場合が非常に多くて難儀します。

また、アトピー性皮膚炎を伴うような毛包虫症の場合、アトピーに対してステロイド剤を使っていると、

どうしても免疫力が低下して毛包虫症が悪化してしまったりと、難治性になってしまいます。

 

高齢犬の場合は、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症がないかどうかをチェックしますが

なんにもないのに若齢からこの病気にかかってしまう犬もいるんですよね。

こういう場合は、やはり遺伝的な要因があって、免疫力が低い個体がいるのを認識します。

なんとか治してあげたいですが、ほどほどを維持するのがやっとの場合もよくあります。

この場合、シクロスポリンという薬を使うとコントロールしやすくなると言われていますが、

本質的にはシクロスポリンも免疫抑制剤のため軽々しく使えるような薬ではないため、悩んでしまいます。

 

皮膚病というのは、見た目ですぐ病気だとわかるのですが、どの犬も個別の病態なので

どんな病気も簡単なものはないなぁと、勉強する毎日です。

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全体的に発赤と脱毛。全身性毛包虫症。

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こちらも毛包虫症でなんとなく発赤と脱毛(膿皮症と見分けはつかない)

 

最近は新薬がでてきて、3ヶ月に1回のノミダニ予防薬が効果的とのこと。

安全に治療できる薬があると、全身性毛包虫疾患も管理できるようになるかもしれないですね。

皮膚の病気 2015/12/13
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