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難治性の角膜上皮びらん
冬になってきて診察も落ち着いてきました。
先日、涙が多くなって目が痛そうというシバ犬が来院されました。
目の状態を確認すると、傷があり、「上皮びらん」という状態でした。
通常は、抗生剤やヒアレインなどを点眼しておけば7日以内になおってしまう程度の傷でしたが
7日たっても改善せず、目を精査すると簡単に角膜上皮がめくれてしまう病態でした。
これは、「難治性角膜上皮びらん」という病気で、通常の点眼ではなかなか治りません。
フレンチブルドッグ、コーギー、柴犬、シーズーなどに多く発生することが知られており、
当院でも同じような傾向が認められています。
角膜を構成する角膜上皮と基底膜の接着が悪くなってしまうという病態があり、傷がずーと治らないんですね。
この基底膜に細かい傷をつけると、そこが足場になって治るというイメージです。(専門的知識を省略してます)
なかなか目を開いてくれないので、鎮静をかけてダイヤモンドバーで角膜表面をほんの少し削り、
硝子膜をはがしてあげて、テトラサイクリン系の眼軟膏(海外製で高い。。。)をつけてあげることで
なんとか治癒してくれました。(3回も削る必要がありましたが、。。)
なかなか治らない、目の痛みには要注意です!!